XTZ125のスプロケットを前後交換しました。
作業の備忘録として、そして誰かの参考になればと思い記事にしておきます。
必要な工具なども含めて紹介しますので、気になっている方は是非トライしてみてくださいね。
自分も今までに多くの方のブログを参考に作業をしてきました。
なので初心者の方にわかりやすいように、写真多めでなるべく丁寧に解説していきたいと思いますよ。
逆にベテランでこのページに辿り着いたって方は、何か変な事を言っていたら指摘して頂けると助かります。
最後にスプロケ交換の丁数計算や、XTZ125に流用できる商品の話なんかも紹介します。
Contents
XTZ125の前後スプロケット交換方法!
まずはいつものお約束として…。
※これは自分の作業例です。
この記事を参考にしての不具合や、事故に関しては責任を負いかねます。
参考にする方は自己責任でお願い致します。
作業手順は下記の通りです。
- ブレーキペダル調整ナットを緩める
- アクスルシャフトのナットを緩める
- タイヤを1番前に出す
- フロントスプロケットカバーを外す
- フロントスプロケットを交換
- リアタイヤを外す
- リアスプロケットを交換
- チェーンの張り具合を調整する
- ブレーキペダルの踏み代を調整する
XTZ125のスプロケット交換に必要な工具
写真に写っていない物もあって申し訳ないのですが…下記の通りです。
- 10mmのソケット(メガネでも可)
- 14mmのメガネレンチ
- 17mmのメガネレンチ
- 19mmのメガネレンチ
- 4mmの六角レンチ
- 簡易スタンド(Rタイヤを浮かせられればOK)
- タガネ
- プラハン(あると便利)
- 14mmのスパナ(無くても大丈夫)
リアタイヤを止めているナットですので、可能であればトルクレンチを使ってしっかりとトルク管理しておきたいところ。
トルクレンチを使うなら19mmのソケットも必要になります。
工具に関しては、興味がある方は別記事もどうぞ!
ブレーキペダル調整ナットを緩める
XTZ125はリアがドラムブレーキのため、チェーン調整の際にはブレーキの遊び調整が必須です。
フロントスプロケットのみの交換でも、チェーンの遊びを大きくした方が楽なのでここで緩めておきましょう。
リアスプロケットも交換する場合はリアタイヤを外す必要がありますので、この段階で調整ナットを完全に外してしまってもOKです。
(無くさないように!)
遊び調整ナットは14mmのスパナで緩めますが、ナット前方のスプリングを縮めるようにリンクを手で保持すれば工具は無くても緩めることが可能です。
なので14mmスパナは無くても大丈夫です。
アクスルシャフトのナットを緩める
リアタイヤを止めているアクスルシャフトのナットを緩めます。
ナット側が19mmで、ボルト側が17mmとなっているのでナット側を緩めます。
フロントスプロケットのみの交換で、チェーンを緩めなくてもなんとかできる!って方は不要です。
でもそれって…だいぶチェーン緩くない?
タイヤを1番前に出す
タイヤを1番前まで出してチェーンを緩めておくと、スプロケットの交換が楽になります。
タイヤを前に出すだけならサイドスタンドでもできないことはないですが…リアのスプロケ交換でタイヤを外す必要があるんですよね。
タイヤを外す=後輪を浮かせる必要があるので、何らかの方法で後輪をリフトアップする必要があります。
作業の安定感を求めたり、場所が許すのであればオフロードスタンドを。
ビールケースや自作スタンドで代用する方もいますね。
ちなみにオフロードスタンドはお安いダンパー無しと、ちょっとお高いダンパー付きがありますが…買うならダンパー付きの方が良いという声が多いようです。
自分は使って無いからわからないけど、安くてそれなりなものと言うとストレート勢やアストロ勢などですかね?
自分はオフスタンド欲しいけど置くとこ無いし…と思ってUNITのエマージェンシースタンドを使ってます。
安定感は劣るものの、しっかり確認して気を付けて作業すれば問題無く作業できます。
タイヤを持ち上げたら、チェーン調整用のスネイルカムを目一杯緩めます(数字の1の方)
硬ければプラハンなどで軽く叩くと簡単に動きます。
緩めたら後ろから軽くタイヤを蹴って、タイヤをしっかり前に出しておきます。
フロントスプロケットカバーを外す
カバーは2か所のボルト(赤丸部分)で止まっているだけなので、10mm(だったと思う)のソケットで外します。
カバーには配線が引っかけてある(青丸部分)ので、無理に引っ張らないように注意。
カバーを外すとスプロケットとご対面できますので、せっかくなので周辺の掃除をしておきましょう。
写真でも特に下側が汚いですね…。
フロントスプロケットを交換
XTZ125のフロントスプロケットはボルト式ですので、ホルダーとスプロケットを止めているボルト2本を外します。
こいつは4mmの六角で、それなりに硬いのでナメないように注意!
エンジンも一緒に回ってしまう場合は、ローギアにして固定しましょう。
ボルトを外したらホルダーを少し回転させて、エンジン側のスプラインと合わせると外せます。
スプロケットは真っすぐ引き抜くだけですので、チェーンを外しながらスプロケだけ引き抜きます。
あとは新品のスプロケットを逆の手順で取り付けて、ホルダー、ボルトで固定するだけ。
もちろんカバーも元に戻して下さいね。
リアタイヤを外す
リアのスプロケット交換には、リアタイヤを外す必要があります。
リアをリフトアップさせ、事前に緩めたアクスルシャフトを外すと取れますよ。
前段階でブレーキの遊び調整ナットを外しきっていない方は、ここで外しておきましょう。
コツとしては…足などをタイヤの下に挟んで置いて、少しタイヤを持ち上げるようにすると簡単にシャフトが抜けます。
シャフトが抜けたら、スプロケットからチェーンをズラしつつ…ドラムブレーキの溝に沿って真っすぐ後ろに引っ張るイメージです。
…いやぁ文章じゃ伝わんないだろうなぁ…。
下記画像の赤丸部分がドラムブレーキをスイングアームに保持している溝です。
リアタイヤを外すと、スイングアームとホイールの幅合わせカラーが落ちます(特に右側)ので無くさないように!
左側はホイールベアリングのところにハマっているので、簡単には落ちないんですけど…右側は間違いなく落ちますので…。
タイヤが外れたらチェーンが地面に付いて汚れないように、スイングアームに引っ掛けておくと良いですよ。
(ちなみに下記画像のアクスルシャフトの下のが幅合わせカラー)
ここまで来たらリアのスプロケット交換に入りますが、せっかくタイヤを外したのでドラムブレーキの残量チェックと掃除をしておくと良いかと。
ドラムブレーキはディスクブレーキと違って、外さないとチェックできないのが難点。
なかなか外す機会も無いと思うので、ここでしっかり確認して掃除までしておきましょう!
(ディスクブレーキが羨ましいよ~)
リアスプロケットを交換
リアタイヤが外れたらスプロケットを外すわけですが、14mmのナット4ヶ所で止まっています。
しかし回り止めが付いているので、まずそれを外す必要がありますよ。
タガネを使って少しずつ回り止めの爪を起こしてやります。
タイヤを地面に置く時には、下に何かを敷いて傷を防止しましょう。
自分はキタコさんのスプロケットが入っていたブリスターパックを…(キタコさんごめんなさい)
XTZ125はドラムブレーキだから傷になるくらいですが、ディスクブレーキだと最悪ローターがダメになります。
マイナスドライバーは叩くための工具ではないので、こういった作業に使ってはいけません!
ん?お前が使っているのはマイナスドライバーに見えるって?
嫌だなぁ何言ってるんですか、マイナスドライバーに決まってるじゃないですか。
これは悪い整備の見本市ですよ?
爪を4ヶ所起こしたら、ナットを外してこの回り止めを外します。
(ちなみに真ん中の出っ張りが左側の幅合わせカラー。取れてしまった時にはここに戻します)
そこまで気にする必要は無いと思いますが…多分正確にはこの回り止めは再利用不可部品。
普通に純正部品として販売されていますので、気になる方は交換して下さい。
この記事を書いている段階(2021年4月)では、定価が363円(税込)です。
あとは古いスプロケットを外すだけですが、張り付いていて硬い場合はプラハンなどで軽く叩くと外れます。
外したらスプロケットとのアタリ面を綺麗に掃除しておきましょう。
新しいスプロケットを取り付けて、回り止めを付けて、ナットを締めたら回り止めの爪を起こしておきます。
これまた、マイナスドライバーは…以下略。
あとは逆の手順でタイヤを取り付けるのですが、せっかくなのでアクスルシャフトにグリスを塗っておきましょう。
組立時にグリス塗ったんか?ってくらいに乾いているハズですので…。
グリスは色々な説があるので…正解はわからないんですけど、自分はリチウムグリス…いわゆる万能グリスを使っています。
金属部品だから…という理由でモリブデンを使う方がいますが、あれは水に弱いのであまり向いていないと思います。
それと定期的にグリスアップすれば良いのかと思いますが、モリブデンを使うと大抵黒い焼けみたいな跡が付きます。
触ると多少の段差を感じますのであまり良くないと思うのですが…どうでしょう?
チェーンの張り具合を調整する
スプロケット交換の後には、必ずチェーンの張り具合の調整が必要です。
こちらは別記事が詳しいので、やり方に関しては別記事を見て頂けたらと。
ブレーキペダルの踏み代を調整する
XTZ125のリアブレーキはドラムなので、これまた必ずブレーキペダルの踏み代を調整が必要です。
こちらも別記事が詳しいので、やり方はそちらをご覧下さい。
踏み代だけじゃなく、ブレーキを踏んだ際にストップランプが付くかも確認して下さいね。
XTZ125のスプロケット丁数の選び方!
XTZ125のスプロケットは、純正がフロント14Tのリア48Tです。
前後共に減速比変更によって最高速や、巡行時の回転数がどうなるのか…などを計算した記事がありますので、詳細は下記でどうぞ。
ザックリとだけ説明すると、スプロケット変更によっての変化は下記の通り。
フロントスプロケット | リアスプロケット | |
大きくすると | 〇最高速が上がる ×加速が悪くなる 変化量大 |
〇加速が良くなる ×最高速が遅くなる 変化量小 |
小さくすると | 〇加速が良くなる ×最高速が遅くなる 変化量大 |
〇最高速が上がる ×加速が悪くなる 変化量小 |
なので現状に不満が無ければ純正と同じ丁数で。
リアスプロケットは1丁くらい変えてもあまり変化しないので、まずはフロントを変えてみるのが良いかなと。
街乗りメインで、巡行時の回転数を落としたいとかならフロント15Tに。
林道とかでキビキビ走りたいならフロント13Tに。
自分は今回フロントのみ丁数を14→13にしましたが、林道で走りが軽快になって満足しています。
発進時に半クラが長いと言うか…滑っていると言うか…な感がありましたが、ショートになったことで発進が楽に。
速度の出せないトレッキング的な林道では1速と2速のどちらを使うか悩ましい道が多いのですが、2速をメインに使うことが可能になりました。
また特にフロントのスプロケットは互換性が複雑で…今回の13TもTT-R125用ということで純正を使用したのですが、ホルダーのサイズが微妙に違うなどがあります。
下の画像ではわかりにくいですが、TT-RのスプロケットにXTZ125のホルダーだと反対側のボルトが入りません。
XTZ125用の方がほんの少しだけボルトピッチが広いようです。(重ねて上に置いてあるのがTT-R用)
この辺りの話も別記事で詳しくまとめてますので、丁数変更を考えている方はそちらもご覧下さい。
まとめ
ということで、まとめます。
XTZ125のスプロケット交換方法を紹介。
スプロケを変えるとどうなるのかも紹介してますが、別記事の方が詳しいです。
作業はそれほど難しくはないですが、リアタイヤを外す必要があるので…不安な方はお店にお願いする勇気も必要かと思います。
今どき珍しい?ドラムブレーキなだけに、取り付けの際の溝合わせを忘れずに。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。