日本で最初にオートバイが誕生したのは1909年だそうです。
それがやがて世界一と言っても過言ではないオートバイ大国となり、数多くの名車・珍車を生み出してきました。
そんな名車や珍車の中でも原付一種、原付二種に絞って、個人的な思い出話なども含めて好き勝手語っていきたいと思います。
今回は1990年に登場した、ジャイロキャノピーです。
ホンダ ジャイロキャノピーの話
まえがき
今回紹介するのは、1990年11月に登場したホンダのジャイロキャノピーです。
2024年3月現在、市販状態で唯一?屋根を装備している車両ですね。
ホンダを代表するスリーターシリーズの末弟?であり、ジャイロ兄弟として現在もデリバリーバイクを中心に走り回っています。
ホンダのスリーターの歴史はジャイロXの記事が詳しいのですが簡単にだけ。
ジャイロX、ジャイロUP、ジャイロキャノピーと3兄弟が有名ですが…実はスリーターの初代はストリーム。
初代スリーター ストリーム
出典:BikeBros.
1981年に登場したストリームに続き、当初はレジャー・悪路用としてジャイロXが1982年に登場。
その後はジョイ、ジャスト、ロードフォックスと…誰それ?という車両が続きます。
ジャイロシリーズの初代 ジャイロX
出典:本田技研工業株式会社
そしてジャイロUP、ジャイロキャノピーと続くのがホンダのスリーターシリーズです。
派生車 ジャイロUP
出典:本田技研工業株式会社
今回の主役 ジャイロキャノピー
出典:本田技研工業株式会社
今回の主役であるジャイロキャノピーは、先ほど触れたように屋根付きというのが最大の特徴。
屋根が付いているからか…屋根まで繋げた巨大スクリーンが故か、ワイパーまで付いているのも特徴ですよね。
余談ですが、ジャイロキャノピーが登場してから4年後となる1994年には世界初の屋根付き2輪車であるキャビーナが登場。
屋根付き2輪車ことキャビーナ
出典:BikeBros.
あれ?世界初?ジャイロキャノピーは?
ジャイロキャノピーは3輪車なので、世界初の「屋根付き2輪車」はキャビーナになる…ようなんです。
ちなみに「屋根付き」というコンセプトが市場にウケた…わけではなく、このキャビーナは短命に終わってしまいました。
本題
さてさてそんなスリーターシリーズの第7段として、1990年に登場したジャイロキャノピーですが…背景にはどうやらドミ〇ピザがあるようです?
なんでも1985年にド〇ノピザが日本に進出した際に、配達手段としてジャイロXにフロントスクリーンと屋根を装備したモデルをホンダに提案したとかなんとか…。
本家アメリカでは配達は車らしいのですが、日本の道路事情に合わせてバイクを使いたいけど…ということだったようですね。
これに応える形で専用のジャイロX、ドミノジャイロが登場。
ジャイロXの改造車となっていますが…ジャイロXともジャイロキャノピーともちょっと違った雰囲気を持つのが特徴です。
ちょっと引用に良い画像が無いので「ドミノ ジャイロ1号」とかで検索してみてください。
現物はドミノ・ピザ日本法人の本社入口に展示されているそうなので、品川区?の近くの方は是非。
ドミノジャイロはドミノ・ピザの専用車両でしたが、1990年についにジャイロキャノピーが登場。
デッキタイプとワゴンタイプの2種類が用意され、デッキタイプはフラットな荷台のモデルです。
荷物を直接載せるのはもちろん、ホムセン箱を始め色々な箱類を括り付けるのに適したモデルでした。
対するワゴンタイプは62Lのトランクが装備されており、更にはキーロック付き!
1996年モデルですが…デッキタイプ
出典:本田技研工業株式会社
そうそう、実はジャイロXやジャイロUPとは結構変更点も多くなっているんです。
タイヤサイズが異なるほか、サスペンションもアンチダイブ機構を組み合わせたトレーリングリンクタイプに。
更にはブレーキもサイズアップされて、ホイールベースも延長されると…結構大掛かりに変更。
良い時代だったのか…それだけ台数が見込めるということなのか…ジャイロ3兄弟と言いつつ結構専用装備が多かったりします。
1993年にマイナーチェンジが入り、屋根の形状・材質を変更。
ワゴンのトランクにはダンパーを装備しています。
1996年、1999年とマイナーチェンジを行い細々と改良が進んでいますね。
2008年には排ガス規制の関係で2ストエンジンから4ストエンジンに変更され、型式もTA02からTA03に変わっています。
そしてこの4サイクルキャノピーは…ワゴンタイプが廃止されてしまいました。
後輪が8インチになったのも特徴でしょうか。
(他にも色々と変わっています)
ジャイロキャノピーって言ったらワゴンタイプだろ!と個人的には思うのですが、世間的にはそうでもないのでしょうかね?
印象は変わらない 4ストキャノピー
出典:本田技研工業株式会社
その後は2017年に排ガス規制の関係でマイナーチェンジを行い、2024年3月現在も現役モデルとして販売中!
2021年には電動のジャイロキャノピーe:も登場しています。
ベンリィeフェイスに ジャイロキャノピーe:
出典:本田技研工業株式会社
思い出話
そんなジャイロキャノピーですが、友人が乗っていました。
普通に普段の足として乗り回していましたね。
まだ車の免許を取れない高校生年代ということもあってか、雨でも問題無く荷物も大量に詰めるということで重用しておりました。
彼の乗っていたのはワゴンタイプで…何年式かは覚えていませんが、シートが灰色だったことから結構初期のモデルかと。
62Lという超大型のトランクは本当に便利だったようで、何でもかんでも箱の中からでてきた印象が。
そうそう…もう時効でしょうから書きますが、トランクから人が出てきたときはビビりました。
いや、ダメ絶対ですよ?
色々な意味でダメ絶対なんですけど…小柄な人なら入れてしまうという驚異の収納力。
しかし…ジャイロキャノピーってバンクするとトランクも一緒に傾くんですよね…。
外は見えないし息苦しいし狭いし、急に傾いて頭ぶつけるしで散々だった…そうです。
絶対に真似してはいけない案件ではありますが…やはりジャイロキャノピーと言えば!の強烈な思い出です。