【名車珍車紹介】スズキ ジェベル125〈SF44A〉を好き勝手語る

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日本で最初にオートバイが誕生したのは1909年だそうです。

それがやがて世界一と言っても過言ではないオートバイ大国となり、数多くの名車・珍車を生み出してきました。

そんな名車や珍車の中でも原付一種、原付二種に絞って、個人的な思い出話なども含めて好き勝手語っていきたいと思います。

今回は1993年に登場した、ジェベル125です。

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スズキ DJEBEL125の話

まえがき

今回紹介するのはドジェベルこと、スズキのデュアルパーパスであるジェベルです。

スペルがDJEBELなので、「ド」ジェベルと某掲示板を中心に言われていた車体です。

(ちなみにDJEBELの語源はアラビア語で、山脈とか小山とかを意味する言葉からの造語らしい)

コイツを紹介するためには、まずは派生元であるDRについて紹介する必要がありますね。

時は1980年代前半、当時はモトクロッサーの人気があり公道版としてのデュアルパーパスモデルもニーズが大きかった時代。

ホンダはXL250を、ヤマハはXT250、カワサキはKL250を出していた時代に、スズキが投入したのがDR250Sです。

当時としてはまだまだ2ストロークのオフ車も各社販売しており、スズキで言えばRH250が1984年に発売されていますね。

しかしながらデュアルパーパスとして4ストロークの需要も大きかったようで、1982年に先ほど名前を挙げたDR250Sが登場します。

良い時代だ。

スズキ初の4スト250デュアルパーパス DR250S

出典:スズキ株式会社

スズキらしく軽量コンパクトで、22PSの最高出力に同社のモトクロッサーの代名詞でもあったフルフローターサスペンションを装備。

生真面目なスズキらしい性能の良いバイクだったようですが…どうにもデザインが不評だったようです。

このDR250Sと同時に弟分であるDR125Sも登場。

ご先祖様 DR125S

出典:スズキ株式会社

この125ccモデルは3年後の1985年にSX125Rに進化?

デザインが大きく変わっただけでなく、エンジンも新設計の物が載せられています。

SX125S

出典:スズキ株式会社

そして1990年に2代目のDR250Sが登場。

こいつはフルモデルチェンジもフルモデルチェンジで、先代との共通部品がほとんど無い…という気合いの入れようだったようですね。

見た目も今までのデュアルパーパス然としたスタイルから、正統派オフローダーとでも言うかの姿に。

なんでもホンダのXR500R、XR350Rを開発したアル・ベイカーという技術者をヘッドハンティング。

そのアル・ベイカー氏が開発したDR350の公道バージョンであるDR350Sの250cc版です。

350がベースということもあってか…競合他社の車両に比べる耐久性は高いものの重く…あまり評価はよろしくないなんて話も…。

2代目 DR250S

出典:スズキ株式会社

このDR250Sをベースに、1992年に登場したのがジェベル250です。

ベースはDRながら、よりツーリング向けの車両として大型のヘッドライトやライトガードを採用。

更には倒立フォークでは無く正立フォークが採用されています。

ある意味ではグレードダウンではあるものの、レーサーではなく街乗り車両と考えると整備性の良い正立はむしろアリ。

今の時代から考えるとフォークが別に用意されるなんて…信じられないですよね。

もちろん性格の違いを考慮してギア比の設定も見直されています。

なんとも初代DR250Sへの先祖返り感…。

兄貴分 ジェベル250

出典:スズキ株式会社

そして遅れること約4ヶ月。

1993年3月に兄弟車としてジェベル125…ではなくジェベル200が登場。

SX125Rのところで紹介し忘れましたが、SX125Rには兄弟車でSX200Rがいたんですよね。

この頃はガンマ兄弟にも125と200が存在していたりと、なんとも羨ましい時代だ。

ジェベルはこのSXがベースとなっており、200も125もSXがジェベルのベース車両となります。

兄貴そっくり ジェベル200

出典:スズキ株式会社

その4ヶ月後の1993年7月には、今回の主役であるジェベル125が登場します。

…なのですが、なぜか顔つきが兄貴達とは違う…。

この顔は実は海外向けの車両であったDR-SEと同じ顔なんだそうで。

確かに「丸目が売れるのは日本だけ」なんて話も聞いたことがあるような無いような…。

兄貴そっく…あれ? ジェベル125

出典:スズキ株式会社

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本題

そんなこんなで1993年7月に登場したジェベル125ですが、ヘッドライトの形状が兄貴達と異なるのは先ほど説明した通り。

発売当時は30万9,000円という驚きのプライスで大人気モデルに。

2万円差の32万9,000円でジェベル200が手に入り、そこから大きく離れて43万9,000円のジェベル250という価格設定だったようです。

そのためかジェベル200とジェベル125は大人気車種に。

チラッと先ほど名前が出たガンマに比べると、単気筒同士ということもあってか200と250の差が小さいのに価格差が大きいことも人気の理由だそうで。

200と125は維持費や免許制度から購入層が違うようで、どちらも大ヒット作になっています。

しかも200と125は単純に排気量違いではなく、スイングアームの長さと材質も違うという…何度も「良い時代だ」と言ってしまいますね。

(他にもリヤホイールのリム幅、チェーンサイズ、スプロケのサイズ、エキパイ材質なども違うらしい)

ちなみにファミリーバイク特約の制度は1980年頃からあるそうです。

兄貴分であるジェベル250は、DE250SがDR250Rへのモデルチェンジ(1995年)に伴い改修を受けます。

それが1996年に登場したジェベル250XCですね。

9Lだった燃料タンクはほぼ倍の17Lに大型化され、ビッグライトやリアキャリアを装備した今で言うところのアドベンチャーバイクに進化。

XCはクロスカントリーの意味だそうで。

200と125に関してはこれといったモデルチェンジを行わないままでした。

しかし125は上記ジェベル250XCが登場した1996年に、兄貴達と同じように丸目のヘッドライトに変更されました。

丸目の方が売れるからか…単に200と共通化することによるコストダウンなのか…。

国外向けのDR-SEと国内向けのジェベルの製造工場の都合なのか…その辺りは知りません。

ジェベルと言ったらこの顔 ジェベル125後期

出典:BikeBros.

この後もモデルチェンジらしいモデルチェンジを行うことなく、2000年代前半の強化された排ガス・加速騒音規制によって生産が終了となってしまいました。

一応前期型と後期型に分けられることになるものの、ほぼ1世代と言って良いかもしれませんね。

これにてジェベル125の話は終わるのですが、せっかくなので派生車であるDF125に付いても触れておきましょう。

先ほど紹介した丸目になったジェベル125から1年。

1997年にジェベル200と125の派生車としてDF200/125が誕生します。

250に関してはXCがあったこともあってか…それとも他の理由があるのか…DFは存在しません。

ジェベルの派生車 DF125

出典:スズキ株式会社

巨大なリアキャリアを装備するだけでなく、フロントにもキャリアを装備。

他にもオイルクーラー、パイプによるエンジンガードやロングフェンダーなどが装備されています。

触れ込みとしては「豊富なアウトドア仕様」とか「若者への新しいストリートファッションを提案」とかだったのですが…まさにミリタリー。

カラーリングの関係もあってか軍用車を思わせるスタイルに進化しています。

またシート高も多少低くなっており、ジェベルとは装備の違いだけ…ではありません。

そんなDFですが、こいつは元々ジェベル200をベースにしたトロージャン200の装備を使った物。

海外向けにTROJAN200というファームバイクが販売されていたんですよね。

トロージャンとDFは、ほぼほぼ同一車両と言えますが…ファームバイク特有の右側サイドスタンドは無くなっています。

もちろん公道を走るようにギア比も変更されています。

(変更されています…と言うより戻されています?)

そんなミリタリー…もといアウトドア志向を強めたDFでしたが、どうにも日本ではあまり売れなかった様子。

排ガス規制もありジェベルと共に姿を消すことになりました。

…なのですが、TROJAN200は実はまだ現役です!

オーストラリアなどではまだ普通にホームページに掲載されているんですよね。

TROJANに125ccモデルが存在していれば、逆輸入したら面白かったと思うんですけどね…。

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思い出話

そんな大ヒット作となったジェベル125ですが、実は自分…見た事無いんです!

125どころか200も250も見た事無いような…。

と言ってもジェベルが発売されたのが、書いてきたように1992年から。

今はともかくとして、自分がバイクに乗り始めた2000年代にはまだまだ現役でたくさん走っていたハズです。

当時はオフ車に全く興味が無かったこともあり、恐らく走っていても目に入らなかったものと思われ…。

しかしながらその後、リターンライダーとして復活する際に探し回ったのもジェベル。

もちろんジェベル125にこだわらず、125ccのオフ車はほぼ全て色々と見て回りました。

が、2010年代後半にはジェベルに限らず125ccのオフ車はほとんどタマがなかった…。

新車で販売されていたのはKLX125のみということもあり、KLXはそれなりに中古車がありましたが…他メーカーはほぼ全滅に近い状態でしたね。

「125ccのオフ車は一度手に入れたらそうそう手放さない」なんて言葉もあるようですが、維持費も安いので乗らなくなってからも持ち続けている人が多いのかも?

そうそうこれはKLX125を紹介した時にも書いたけど、2stの125オフは全般見た目が好みでは無く…。

クラシックオフロードとでも言うのか、1970年代っぽいデザインは嫌いじゃないんだけど…1980年代のオフ車は好きじゃない。

単純に四角ライトが好きになれないだけかもしれないですけど…。

そういった意味ではジェベル125のデザインはストライクど真ん中なので頑張って探したものの…とにかくタマが無かったです。(もちろん後期の丸目に限る)

そんなこんなで2019年にXTZ125を購入して今に至るのですが、デザインは嫌いじゃないもののやはり丸目スタイルにしたいところ。

ヤマハ車なのでジェベルじゃなくてTT250R Raidがお手本になりそうですが。

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