【名車珍車紹介】ホンダ CB125T〈JC06〉を好き勝手語る

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日本で最初にオートバイが誕生したのは1909年だそうです。

それがやがて世界一と言っても過言ではないオートバイ大国となり、数多くの名車・珍車を生み出してきました。

そんな名車や珍車の中でも原付一種、原付二種に絞って、個人的な思い出話なども含めて好き勝手語っていきたいと思います。

今回は1977年に登場した、CB125Tです。

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ホンダ CB125Tの話

まえがき

CB125T…そうアレです、教習車

今でこそ教習車はCB125Fが使われていますが、免許を取った時にはコレだったという方は多いのではないでしょうか?

とは言え…教習所にはあったけど、乗ったことは無い…という方がほとんどかと。

そう、今でこそ小型限定免許取得が緩和されて人気がありますが…それ以前にはわざわざ小型限定を取るという方は少なかったのです。

話はCB125Tに戻しますが、悪く言えば古臭いこのデザイン…それもそのはず遡れば1964年となるのです。

見た目も変更はあるものの、ほぼデザインが変わらずに2003年までの39年間販売されたという超々ロングセラーモデルです。

そんなCB125Tですが「実は」なんて言う必要もない、名車中の名車。

CB125Tとして見れば1977年まで、ベンリィCB125も含めれば先ほど書いた1964年まで遡ります。

せっかくなので、更に掘り下げてみましょう。

ご先祖様と言うと1953年に登場したJ型に遡り、当時はこのJ型を示す車名としてベンリイとなっていたそうです。

ホンダ初のバイクが1947年に登場したA型であり、世には出なかったようですがプロトタイプでB型。

更にはC型が作られ、D型からはドリーム号という車名が与えられました。

E型もドリーム号で、F型がカブ号となり…G、H、Iは謎なのですが(誰か教えて)ここに次ぐモデルとして登場したJ型の車名がベンリイなわけです。

ご先祖様 ベンリイJ型

出典:HONDA ニュースリリース

あぁベンリイね懐かしいね…と思った方も、ちょっと待て「ベンリィ」でイは小文字だろ!という方も正解です。

実は当初は「イ」が大文字だったのですが、1990年頃より小文字に変更されたという歴史が。

どちらも正解ですが「ベンリー」は間違いですので。

更に言えば「便利」だからベンリィという安直なネーミング…というのも正解です。

さてさてそんなご先祖様のベンリイJ型ですが、1958年にベンリイC90が登場。

翌1959年にベンリイC92が登場し、同1959年にこのC92をベースにしたベンリイCB92スーパースポーツが登場します。

まだまだ命名法が揺れていたころで、ベンリイという名前やC90、C92といった数字が排気量を示さないなど…わけわからんちんな状態ではありますが…このベンリイCB92スーパースポーツこそが現在まで続く125ccのCBシリーズの祖となります。

むしろ現代まで続くホンダの名車シリーズである、CBを最初に名乗ったのはこのベンリイCB92スーパースポーツだったりします。

全てのCBの祖 ベンリイCB92スーパースポーツ

出典:BikeBros.

そして1964年にベンリイCB125別名ベンリイCB93が登場。

車名こそ違いますが、この1964年のベンリイCB125から…CB125Tと考えても全く問題無いでしょう。

CB93こと ベンリイCB125

出典:BikeBros.

何度かのモデルチェンジをしながら、1977年より名称がCB125T-Ⅰに変更されます。

TはもちろんTwinのTであり、今では考えられない125cc2気筒エンジンだったから…なのですが…根本的に90ccだった最初のJ型だけが単気筒。

C90からは直列2気筒を採用していたんです。

ではなぜTが付いたのか?

それは1970年にシングルエンジンのCB125Sが登場したため。

もちろんSはSingleのSです。

当初は後からでたシングルエンジンのみSが付き、ツインエンジンの方はCB125のままだったんですよね。

翌1978年にコムスターホイールを装備したモデルが登場し、ここから車名がCB125Tになります。

ちなみにスポークホイールのCB125T-Ⅰも継続販売していたそうです。

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本題

さてそんなベンリイCB125から始まるCB125Tですが、先ほど紹介したように1964年に登場。(上の画像のやつ)

先代となるベンリイCB92スーパースポーツの後継モデルです。

今では珍しいですが、当時としてはそうでもなかった直列2気筒エンジンを搭載し…なんと15ps/10,500rpmという数字を誇ります。

1972年にフルモデルチェンジが行われ、デザインも大きく変更され、当時のCBシリーズらしい外観に。

初代は60年代らしいデザインで、こちらは70年代らしいデザイン。

今見てもカッコ良さを感じるデザインとなりました。

わずか10年ですが、この時代のバイクの進化の速さを感じさせます。

一気にカッコ良くなったぞ ベンリイCB125 1972年モデル

出典:BikeBros.

1977年のフルモデルチェンジでついにCB125Tが登場。

(コイツの正式名称はCB125T-Ⅰですが)

デザインの好みは人それぞれですが…自分は圧倒的に1972年のCB93の方がカッコいいと思う。

77年当時はこういったデザインが流行ったのか…。

当時はまだ「Ⅰ」が付いてた CB125T-Ⅰ

出典:BikeBros.

翌1978年にコムスターホイールを装着したモデルが登場し、ここからついに名称もCB125Tに。

1982年にフルモデルチェンジが行われ、エンジン特製の大幅見直しにより1psアップの16psとなりました。

更にはリアサスペンションがプロリンク式に、電装系も6Vから12Vに変更され、ライトも四角くなり…やっと我々の知っているCB125Tになるのです。

みんなが知ってる教習車 CB125T 1982年モデル

出典:BikeBros.

1987年にはホンダ自慢のコムスターホイールが…通常のキャストホイールへと変更。

所説色々とありますが…昔々のキャストホイールは非常に重かったそうで。

そのため市販車でキャストホイールが登場しても、レース界ではワイヤースポークを使っていた時期もあるそうですね。

そんな中キャストでもワイヤーでもないコムスターホイールが1975年頃登場。

しかし良い面ばかりではなく、更にはキャストホイールの軽量化もあり1985年頃より使われなくなっていった…というもの。

好みはあるでしょうが、コムスターホイールカッコいいですよね。

この1987年のホイール変更は見た目に大きな影響を与えましたが、内容としてはマイナーチェンジ。

ここから度重なるマイナーチェンジを繰り返しますが、一度もフルモデルチェンジをすることなく2001年の最終モデルまで製造が行われるという…ある意味化け物みたいな完成度を誇ったバイクでした。

残念ながら2003年の加速騒音規制にこのエンジンでは対応することが難しいとされ、日本国内での製造と販売が終了します。

中国では2005年頃まで生産が続いていた…と言われています。

一般的には教習所の隅っこに置かれている教習車のイメージでしかないですが…実は偉大な名車だったということですね。

キャストホイールになってしまった CB125T 1987年モデル

出典:BikeBros.

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思い出話

思い出話と言いつつも…自分はこのバイクに乗ったことがありません。

やはり教習所の片隅に佇んでいた記憶しかないですね。

ということで、ちょっと教習仕様車に関して掘り下げてみたいと思います。

1975年の免許改正により、現在とほぼ同じような免許制度に変更されています。

制限のない「自動二輪免許」に400cc以下の「中型限定自動二輪免許」、そして125cc以下の「小型限定自動二輪免許」ですね。

一足早い1972年に「小型限定」は新設されていますが、いずれにせよこの辺りが大きな転換期。

それに伴い125ccの教習車という需要ができたということに。

そこで教習車として登場したのが、我らがCB125Tとなるのです。

更には1995年の改正で大型自動二輪と普通自動二輪に分けられる形となり、代わりに大型も教習所で取得可能に。

それまでは中型限定までは教習所で取れるものの、大型は「限定解除」と言って試験場でのみ可能だったんですよね。

免許自体は「自動二輪免許」の1種となり、それの中型限定と小型限定だったがために「限定解除」です。

1995年の改正は125ccにはあまり影響はなく、引き続き小型限定のための教習車は必要でした。

既に前回から20年経っていますが…そこはロングセラーのCB125T、ここでも教習車として全国各地で使われることに。

そして先ほど紹介したように2003年で生産は終了しましたが…当時は排ガス規制や不人気の125cc等々の理由があり代替車が無いという状態…。

それにより2010年代に入っても騙し騙し…いや、綿密に整備された車両が現役で教習所で活躍していたのです。

と言うか年数は長いけど…あんまり使ってないもんね。

とは言えさすがにどうかと思ったのか…2015年に中国で生産されているCB125Fをベースとした教習車が登場。

2018年の改正により小型限定が取りやすくなったことも追い風となり、やっとこさCB125Tはその使命を終えたのです。

偉大な先輩の跡を継ぐ CB125F

出典:BikeBros.

教習車トークとなると…年代がモロバレとなるネタなのですが、自分が免許を取った時にはCB750にCB400SF、そしてCB125Tでした。

自分が通った教習所は確か銀色のCB750に、いわゆるスペンサーカラーのCB400SFだったハズ。

ナナハンとヨンヒャクがいっぱいある中で、ポツンと1台だけ端っこに置かれてたのがCB125Tです。

当時は「うわぁ…125だけダッセェなぁ…70年代かよ」とか思ってましたが、今思うとスタイルこそ70年代ですが現役車種だったんですよねぇ…。

いやいや、カッコいいCB750にカッコいいCB400SF、そこに時代を感じるCB125Tってのも小型限定の人気が出なかった理由なんじゃ?

まぁあの時代、わずか数万円と数時間しか差がないのに…わざわざ小型限定を取る人間はいなかったのです。

ちなみにひっそりと置かれていたCB125Tですが、何度か動いているのを見たことがあります。

今はどうなんだか知らないですが…昔は教習所への入所前に倒れたバイクを起こす「引き起こし」がありました。

引き起こしができることが教習を受けられる条件にもなっていたため、CB400SFが起こせないと中型免許の教習が受けられないんですね。

起こせない人は諦めるか小型限定を取るか…のどちらかに。

それにほとんどの教習所で、いきなり大型二輪は取れなかったのも思い出しますね。

(中型を所持していないと大型の教習が受けられなかった)

コレを起こすのだ! CB400SF

出典:BikeBros.

ある時、高校生か大学生くらいの女の子が来て(当時は自分も高校生ですが)CB400SFの引き起こしに四苦八苦。

結局持ち上げることができずに小型限定となったようで、CB125Tで教習を受けていました。

と言うことで、教習日が被った時…回数で言うとわずか2回か3回程度ですがCB125Tが動いているのを見ることができたという思い出です。

え?その女の子との思い出?いやぁ…一言も会話することなく…。

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