【名車珍車紹介】ヤマハ RZ50〈RA01J・RA02J〉を好き勝手語る

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日本で最初にオートバイが誕生したのは1909年だそうです。

それがやがて世界一と言っても過言ではないオートバイ大国となり、数多くの名車・珍車を生み出してきました。

そんな名車や珍車の中でも原付一種、原付二種に絞って、個人的な思い出話なども含めて好き勝手語っていきたいと思います。

今回は1998年に登場した、RZ50です。

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ヤマハ RZ50の話

まえがき

RZ…それは今でも名車中の名車として語り継がれるマシン。

2stのヤマハと言われたヤマハが1980年6月にRZ250を発売し、レーサーレプリカブームの立役者とも言える存在ですね。

その後フルカウルのレーサーレプリカが多数登場し2stの時代…みたいなイメージがありますが、実際のところは既に排ガス問題で4stへの移行が始まっていた時代だったそうです。

そのためRZ250はRDから受け継ぐ、市販レーサーTZ250の流れを汲んだ2stの集大成とも言えるマシンだった…らしいですね。

時代の寵児 RZ250

出典:BikeBros.

翌1981年にナナハンキラーことRZ350が登場。

同年1981年にシリーズの末弟としてRZ50が登場します。

コイツはクラス初となる水冷エンジンを搭載。

トップクラスの最高出力である7.2psを発揮し、ゼロハンスポーツモデルとして大人気になったそうです。

ちなみに当時はまだ自主規制は無かったハズで、1980年代後半に相次ぐ事故のため自主規制ができたような?

7.2psを叩き出したのがRZ50が最初かどうかは不明ですが…結果としてこの7.2psが50ccの自主規制値となりました。

なのですが、今回の主役はこちらの1HKと呼ばれるRZ50…ではございません。

ご先祖様初代RZ50

出典:BikeBros.

主役ではございませんが…もう少しこの初代RZ50の話を続けると、1985年にアッパーカウルとアンダーカウルを装備したモデルが登場。

この時には1983年の途中に作られた速度規制のために…最高速度は60km/hに制限されてしまいます。

これが世に言う暗黒の50cc時代の始まりだそうで…爺様方が「昔の50ccは100km/h近く出たんだよ」と言うのはこれが原因。

リミッターで牙を抜かれたマイチェン版 RZ50

出典:BikeBros.

特に1983年の規制の直後には各社、速度を抑えるためにキャブを小型化するなどのデチューンで対応。

それ以前のゼロハンスポーツを知っている層からすれば…あまりにも残念仕様となり販売も不振となったそうで…。

爺様方はこのイメージが強いようで、規制後の原付は遅いというイメージがあるようです。

そのため各社出力は7.2psそのままに、点火カット…いわゆるスピードリミッターで60km/h制限に対応。

要は性能的には元の90km/h以上出る仕様のまま、60km/hを超えるとCDIの制御でプラグの点火を止め…それ以上の速度が出ないようにするということですね。

それもあってか、特にスズキのRG50Γなどは(60km/hまでは)旧型よりも速くなった…なんて話もあったとか無いとか。

この暗黒時代はその後も続き、1990年代はもちろん2000年代に入ってもスピードリミッターは健在。

NS-1やTZR50などで社外CDIに交換することでスピードリミッターを外す…という手法が流行りましたね。

(元々はNSR50やTZM50Rなどのミニバイクレースでの常套手段だったのでしょうが)

その後はレーサーレプリカブームの終焉、原付さえも4st化の波に逆らえず…という時代の流れによって動力性能的に60km/hが限界という状態になっていきます。

そして更にその後は…原付さえも排ガス規制という時代の波に押し流され…まさに50ccクラスは絶滅危惧種となってしまうのです。

ちゃんちゃん。

じゃなかった、RZ50の話に戻しましょう。

その後細かな改良はあったもののモデルチェンジと言うほどのものではなく、1990年に登場する後継機であるTZR50(A-3TU)に引き継がれる形で生産を終了します。

このTZR50は…何と言ってもヤマハ発の50cc市販レーサーであるTZ50とほぼ一緒!

保安部品等々が付いているだけ…と言っても過言ではないモデル。

ある意味ではRZ50のフルモデルチェンジと言っても良い生い立ちとなるモデルとも言えます。

1992年にマイナーチェンジが行われますが、このA-3TUはわずか3年という短いモデルライフとなります。

RZの後継機? TZR50

出典:BikeBros.

あれ?TZR50って長寿じゃなかった?と思った方、正解です。

1993年にはTZR50の後継モデルとして、レーサーであるYZ80をベースにしたエンジンに変更し、車名もTZR50R(A-4EU)に変更されました。

エンジンだけでなくフレームにも補強が追加されたり、セルスターターが装備されたり…という進化もありましたね。

セルが付いたぞ TZR50R

出典:BikeBros.

翌1994年には姉妹車と言える、ミニサイズ(12インチ)のTZM50Rが登場。

更にはこのTZMに採用された新型シリンダーとキャブ径の大型化という変更がTZR50Rにも採用され、これが1995年モデルとなります。

そして1998年に登場する、今回の主役である2代目RZ50に引き継ぐ形でモデルライフを終了するのですが…なんと海外では極々最近までTZRは生産されていたそうな…。

今回の主役 2代目RZ50

出典:BikeBros.

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本題

なんだかやたらと前書きが長くなりましたが、やっと今回の主役であるRZ50が1998年に登場しました。

1990年代も後半と言うか終盤に入り、加熱していたレーサーレプリカブームも少し陰りが見えていた時代。

バイク業界的には1989年に登場したゼファーによりネイキッドブームが到来するわけですが、90年代はまだまだレーサーレプリカも結構走っていたんですね。

とは言えそんな時代の流れもあってか?ネイキッドスタイルでRZ50が復活したのではないかと思いつつ…しかしながらなんともレトロな外観を与えられての復活。

当時も人気はありましたが…時代が早過ぎたか、このデザインで今販売すればメチャクチャ売れるんじゃね?と思ったりも。

ご先祖様とも言えるRDシリーズや、1960年代から1970年代前半に活躍した市販レーサーのTDからカウルを剥いだとも言えるスタイルです。

1971年の市販レーサー TD-3

出典:ヤマハ発動機株式会社

エンジンに関してはTZR50Rの物がベースとされ、これを小変更して搭載。

ただしフレームに関してはTZR50Rではなく、オフ車であるDT50がベース。

あくまでも設計流用であって全く同じ物ではないのですが、フレーム形状やスイングアームに面影はしっかり感じられますね。

姉妹車と言って良い? DT50

出典:BikeBros.

個人的に唯一気になるのはリアのドラムブレーキ…。

いや、ドラムが悪いわけじゃないんだけど…選べるならディスクの方が良いと思ってしま自分はまだまだ小僧なのだろうか?

レプリカブームも去りつつあり…ということで必要無しと判断されたのかもですが、DT50がベースというのも関係ありそう。

とは言えフロントはディスク化されたわけで(DTはフロントもドラム)、リアもディスクが良かったなぁなんて思ったり。

見た目には全く変化はないものの、環境規制の関係で2000年だかにチャンバーが変更されRA02にモデルチェンジ。

ちなみにRA01とRA02のチャンバーは…重量がだいぶ違い、排ガス浄化のためにかなり重くなっております。

2006年には型式はRA02から変更無しではあるものの、新たな排ガス規制に対応するためにマイチェン。

モデルライフとしてはここで終了となりますが、生産は2007年まで続き、2008年頃までは新車があったように思います。

このRZ50はレーサーを除いて、2stスポーツとして最後の最後まで残ったモデルとしても歴史的な名車となりそうです。

(スクーターではまだ2stは残ってましたが)

ちなみにこのRZ50は1980年に登場したRZ250から始まる、RZシリーズ最後のモデルでもあります。

個人的に大好きなブルーのストロボカラー

出典:BikeBros.

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思い出話

時は2000年代前半、友人が最初のバイクとして購入したのがRZ50でした。

スガチャンことスガヤのチャンバーが付いていたこともあり、非常に音の良いバイクでしたね。

自分の周りだけかもしれないですが、当時の状況としては…2stのゼロハンスポーツと言ったらホンダのNS-1ばかり。

他にはTZR50Rがチラホラといた…という感じです。

NSR50はミニバイクレース需要で高額かつ、やはり街乗りするにはサイズ感が…という感じ。

ゴエフことNS50Fは…当時でもあまりタマが無かった印象で、これまた乗っている人は稀でしたね。

周囲でRZ50に乗っている人間は彼しかおらず、変わったバイクを買ったなというのが印象でした。

腕も無いのに…4stなんて遅いのは嫌!2stのレーレプが良い!とかほざいていた小僧達にはRZ50というのは異色の存在でしたね。

それもあってかYB-1やコレダスポーツなどは2stながら「4.5ps?あり得ねぇだろ!」とか言って身近には乗っている人間はいなかったです。

(もちろん街中には走ってましたが)

今見るとYB-1とかメチャクチャカッコいいんですけどね。

おじさんとなった今凄く欲しい YB-1

出典:BikeBros.

今でこそレトロだネオレトロだとか言われていますが、まだまだ2000年代前半はクラシカルとかレトロスポーツとかは流行っていなかった。

方向性は全く異なり1980年代の耐久レーサーの再現ではありますが…GS1200SSが登場したのが2001年。

一部に熱狂的なファンはいるものの…当時の販売は不振と言って良いでしょう。

しかしながら生産が終了して10年以上…2010年代も後半に入ってからはプレミアな価格が付いた…というのがこの頃のバイク界です。

漢のバイクこと GS1200SS カッチョエエ

出典:BikeBros.

自分としてもRZ50は当時もカッコいいと思っていたものの…小僧だったのでやはりTZR50Rの方がデザインが好みでした。

しかしながらもっと言えば後期型のNS-1、いわゆるRVF顔が超絶カッコいいと感じていましたね。

残念ながら小僧だった当時の自分には、カウルが綺麗に残っているNS-1は高過ぎて買えず…。

一時期カウルを(コケたために)剥ぎ取られてネイキッドとなったNS-1に乗っていましたが、この話はまた別の機会に。

残念ながら当時は本当の魅力に気付いていなかったこともあり、今新車で何でもゼロハンスポーツ買えたとしたらRZ50が欲しい。

…なんでも選んでよければドリーム50を選んじゃうかもしれないけど…。

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